12:15~ 豊田講堂ロビー
本 秀紀 法学研究科教授・副研究科長
題 目:会社上司殺人事件~愛と憎しみの果てに~
担 当:法学部学生・教員,弁護士(愛知県弁護士会法科大学院委員会・岐阜県弁護士会・名古屋大学法科大学院実務家教員)
事件概要:
上原小夜子(被告人)は,平成25年8月頃から,会社の上司である深山翔平と不倫関係になった。被告人は,深山が妻子と別れて,いずれは自分と結婚すると約束したことから深い関係になったが,一向に約束を果たさない深山に対し,徐々に不信感を募らせていった。
平成30年10月5日,被告人は,深山とともに夜から飲酒し,同日午後11時頃,一緒に自宅に帰った。しばらくすると,二人は,些細なことで口論を始め,深山が被告人を罵ったことで,被告人も全く結婚の約束を果たそうとしない深山に対し腹が立ち,更に激しい口論へと発展。深山が平手で2,3回被告人の顔面を殴打したり,脚部を足蹴りするなどした。被告人も,ワイングラスや小皿を投げつけるなどして,応戦した。
翌6日午前零時頃,深山は被告人をベッドに押し倒し,強引に関係を結ぼうとしたため,被告人は必死に台所まで逃げて果物ナイフ(刃体の長さ約12.5cm)を手にした。その後,被告人が手にしていた果物ナイフが,深山の右側腹部に刺さり,深山は,肝損傷による失血により死亡した。
午前1時頃,事件は,来訪の予定があった大学時代の親友坂崎みどりによって110番通報された。被告人は,駆けつけた警察官によって緊急逮捕され,その後,殺人罪(刑法199条)でA裁判所に起訴された。
争 点:
本件の主たる争点は,①被告人が殺意を持って果物ナイフを深山に刺したのか,偶発的に刺さってしまったのか,②仮に被告人が故意に刺したとすれば,被告人に正当防衛が成立するかにある。
あなたならどのように裁きますか?
目の前で被告人質問や証人尋問が展開されますので,裁判官・裁判員になったつもりで参加して下さい。
最後に解説および質疑応答を予定しています。
法学部における学習のほか、学生生活や進路など、様々なことについて、法学部の学生および弁護士とのディスカッションを通じて紹介します。参加者のみなさんからの質問にも時間の許す限りお答えをしていきます。
この時間帯には、文系総合館内にあって法学部が主として使用している法廷教室をご案内します。なお当日は、法学部本館内の講義室や教室、法学部ギャラリーなども自由にご見学いただけます。
上記学部企画のほか、全体企画にも参加できます。
ただし、シンポジオンホールで行う全体企画への参加は、学部企画への申込みができなかった人を優先としますので、収容人数に余裕がある場合に限ります。(シンポジオンホールの収容人数は、300人ほどです。)